ラブライブ!劇伴レビュー 「Notes of School idol days ~Glory~」 Disc1編
前回までの 1期サントラ「Notes of School idol days」 に続きまして今回からは2期サントラ 「Notes of School idol days ~Glory~」 の劇伴をご紹介。
前回まではボーカル入りの楽曲は割愛しておりましたが今回は一部をご紹介。
またまた今更ですが「Notes of School idol days」は「スクールアイドルの日々の短い記録」と言った意味。”記録”という意味の「Record」ではなく短い記録という「Note(s)」を使ったのは1年というμ'sの短い活動記録を意味したんだろうと思われます。
ちなみに「Glory」の意味は「栄光」です。こちらもラブライブ優勝という栄光を勝ち取ったTVシリーズ2期のサウンドトラックにピッタリのサブタイトルですね。
それではレビューしていきましょう。
1.「新生徒会登場[LM51]」
使用シーン:2期第1話アバン始業式のシーン
2期第7話予算会議のシーン
スネアドラムの入りが緊張感を引き立てる曲。
視聴者が待ちに待った2期の導入部分、視聴者たちの期待や不安を予想していたかのようなイントロがとても特徴的です。新生徒会長である穂乃果の登場シーンで一気に壮大な雰囲気になるのもラブライブ!特有の映像と音楽のシンクロが感じられますね。
2.「これまでのラブライブ! ~ミュージカルver.~[LM15H][第1話挿入歌]」
使用シーン:2期第1話オープニング(?)
LM15(前回のラブライブ!)のアレンジ&ボーカル入り楽曲。
アニメ版ラブライブ!はミュージカル色が強い。ならばそれを強みにしてみせようという作り手側の意図が伝わってくる楽曲です。声楽の道を進んだ新田恵海氏のコーラスが伸び伸びと伝わってきます、個人的には「えみつんファイトクラブ」で毎回のように歌詞を変えて毎回歌わされていたのが印象的。
ラブライブ!楽曲として含めるとして唯一の「作詞:畑亜貴」ではない曲です。作詞は監督の京極尚彦氏であり、内容はアニメ1期を極限までにダイジェストとした内容。
アニメ1期は他のμ'sメンバー+ヒデコ・フミコ・ミカの3人で歌唱されておりますがサントラ収録版は穂乃果のソロ。なんでも最初は新田恵海氏のみの収録であとのメンバーはアフレコのタイミングで収録されたとか。
3.「What!?[LM52]」
使用シーン:2期第1話まきりんぱなにこが穂乃果を探しに学校を駆けるシーン
LM33やLM34などに似た感じのギターサウンド楽曲。
上記の2つの様にドタバタ走っているメロディが特徴的なのですが、こちらはシーンに合わせて曲のテイストが風変わりしていくのが面白い作りになっています。
4.「…寄り道してかない?[LM53]」
使用シーン:2期第1話μ'sが放課後に遊んでいるシーン
前半はのほほんとしたピアノが跳ねるメロディ。帰り道に寄り道して何か口にしていくような風景が頭に浮かびます。
そして後半はストリングスが加わり淋しげなBGMに変調していきます。その雰囲気は使用シーンであるUTXのビジョンを見ながら佇む希の場面にピッタリですね。
5.「残された時間[LM54]」
使用シーン:2期第1話神田明神のシーン
1期の頃には存在しなかった3年生が卒業してしまうという現実をテーマにした淋しげな楽曲。穂乃果以外の8人がそれぞれの最後のラブライブ大会への想いを上げていくシーン。
こちらも後半にストリングスが加わり楽曲に彩りを加えます。ちょうどそのタイミングでは穂乃果が改めてラブライブへの出場を取り決める部分であり、アウトロと当時に他の8人が「ススメ→トゥモロウ」をアカペラで歌うのは「残された時間」をどうするかのアンサーなんだと思います。
6.「大変です!!![TM02]」
使用シーン:2期アバン、あらすじ後の導入部分
2期第7話海未がダイエットギリギリまで絞るプランを見せるシーン
「きらめき」の始まりのピアノ部分を踏襲しつつ子供が弾いたようなシッチャカメッチャカにアレンジしたような曲。
7.「のどかな田舎[LM55]」
使用シーン:2期第2話合宿のために真姫の別荘へ向かうシーン 等
うーんこの桃太郎電鉄。
田舎特有の山道へと行くハイキングと滅多にない風景の楽しみにするワクワク感が伝わってきますね。
8.「すってんにころりん[LM56]」
使用シーン:2期第2話にこと凛がリストバンドと取るとこから下り坂を駆けていくシーン
うーんこのカリオストロの城。
タイトル通りにこと凛の一幕で流れるシーン。曲中盤でのアクションとBGMの合わさりっぷりが特に面白いです。
8.「プレッシャーに押しつぶされて「LM57]」
使用シーン:2期第2話3班に分かれて曲作りをサポートするシーン
曲作りに悩むことり・海未・真姫の不安やプレッシャーを感じられる楽曲。
このシーンではPrintemps・BiBi・lily whiteの3組に分かれているのですが、なかでもlily whiteのシーン。曲が壮大になる部分でちょうど山頂アタックのシーンと重なり、まるで海未と希に付いていくのが精一杯の凛の哀愁が伝わってきます。
9.「いつもどんなときも、全員のために[LMOP]」
使用シーン:2期第2話真姫が弾いているピアノの曲
「新しい場所へ」と同じ「僕らは今の中で」のセルフアレンジ曲。
劇中だけでは少し分かりにくいのですがサントラ収録版で聞くといきなりTV sizeのイントロとなっているので特に分かりやすいはず。それでも分かりにくい人は1:15からサビの部分に入るのでそこから聞いてみて下さい。
「僕らは今の中で」はこのように様々なアレンジが作られているのですが、BPMや伴奏を変えるだけで色んな側面が見えているのはこの曲の最大の魅力なんじゃないかな。と私は考えています。
10.「海未のセクシー・ドレス[TM03]」
使用シーン:2期第3話海未のセクシーな衣装妄想シーン
妄想で着ていたチャイナドレスに合わせたアジアンテイストが特徴。
全く関係ないのですがCV.三森すずこ+アジアンテイストと聞くと「ファッとして桃源郷」を思い出します。
11.「A-RISEとの対峙[LM58]」
使用シーン:2期第3話UTX学園でA-RISEと話しているシーン
「対峙」とありますが特に緊迫とした雰囲気ではない曲。
むしろLM39やLM11のようなエレクトリックな曲に合わせた感じ。この2曲はどちらもタイトルに「アキバ」とついておりこのLM58もまた秋葉原に構えるUTX学園、そしてA-RISEをそんな風にイメージしたのではないかと思われます。
12.「緊迫[LM59]」
使用シーン:2期第4話アバン最終予選出場チームを見るシーン
2期第7話アバン雪穂と穂乃果の母のシーン
こちらはまさに「緊迫」をイメージした楽曲。
LM05のようなイントロ。上がったり下がったりするヴァイオリンや変調するメロディ、中盤や終盤につれて増えたり減ったりする楽器など色々な要素が積み込まれたこの曲はまさに最終予選の結果を見ようとするμ'sの緊張、そして緊迫感がこれでもかという程に伝わってきますね。
13.「肉屋のにこちゃん[TM04]」
使用シーン:2期第4話にこがスーパーで肉の宣伝をしてるシーン
CMソングをイメージしたのかきっかり15秒で作られている楽曲。
マリンバが飛び跳ね奏でているメロディはノリノリでお肉のセールを宣伝しているにこを楽しげに表現しています。
14.「にこ登場…?[TM01]」
使用シーン:2期第4話こころが歩いてくるシーン
ポロロン…と美少女矢澤にこの登場をイメージした…ではなく妹の矢澤こころが登場するシーンで来る楽曲。
にこではなくこころの曲が優しげな曲調なのは…つまり…にこは……
ところで2期サントラになってちょくちょく見かけるこの[TM]というマーク。LMとは違い30秒までの効果音やジングルに近い感じの曲によくついています。
15.「業-カルマ-[LM60]」
使用シーン:2期第4話こころとμ'sが隠れながら家に向かうシーン
アコースティックギターやフュージョンが探偵モノをイメージした、まさに正体がバレてしまうわけにはいかない!とこころの雰囲気を表したような曲。
それにしてもカルマって……
16.「新リーダー凛ですわ![LM61]」
使用シーン:2期第5話凛がリーダーとなって屋上練習しているシーン
凛のテーマソングとして紹介したLM08とは打って変わってこのシーンの彼女をイメージしたようなどことなくぎこちない感じが流れている楽曲。
後半の淋しげな一節は上手くリーダーとしてやっていけるのか、凛の不安や憂鬱な表情が浮かび上がってきます。
16.「凛の戸惑い[LM62]」
使用シーン:2期第5話ウェディング衣装を凛が見るシーン 等
凛というよりはこの衣装をテーマにしたような乙女らしさ的雰囲気な楽曲。
その裏では自分が全く予想だにしていなかったウェディング風な衣装を見た凛の戸惑いや衣装を着た時の自分を想像しているような様々な想いがゆったりとしたメロディやカスタネットで表現されているのかな?と感じたり。
17.「ハロウィーン・ストリート[LM64]」
使用シーン:2期第6話お化け?や骸骨?が会話してるシーン
いかにもハロウィンチックなトロンボーンの音が響いてくる楽曲。
ここで上げてるシーン意外では全く使用シーンがなさそうな曲ですね。
18.「他人になりきれ[LM63]」
使用シーン:2期第6話μ'sがそれぞれキャラを入れ替えた時のシーン
2期第13話部室を整理整頓してるシーン 等
サックスで始まるイントロがLM12とよく似ています。
この曲の初使用はμ'sのメンバーが真新しさを目指す故に衣装を取り替えたりなどでそれぞれで入れ替わり他人を演じているシーン。フルートの音が間の抜けたような、コミカルな曲調をアクセントになっていますね。
19.「Rock me baby![TM06]」
使用シーン:2期第6話ヘビメタ衣装に身を包んだμ'sが登場するシーン
前述の真新しさを求める余りμ'sは暴走。曲も今までは考えられないようなエレキギターやドラムのみで作られたロックサウンド。そりゃあジングル扱いされるよね…
20.「お祭り気分で盛り上がれ![TM07]」
使用シーン:2期第6話アキバレポーターお姉さんの登場シーン
ハイテンションなキャラで有名なアキバレポーターをイメージした…というよりも彼女のテーマソングな気がします。前述のTM06と似たようなロックテイストが特徴。
21.「軽やかな昼下がりB[LM02 TypeB]」
使用シーン:2期第6話穂乃果と絵里の会話シーン
タイトルの通りLM02(軽やかな昼下がり)のバリエーション。
なのですがこちらはギターサウンドがリードしており随分と爽やかな印象に仕上がっています。
日々の日常の中で何か大事な事に気づけたようなそんな穏やかな心をイメージしたようなこの曲は私のオススメ、ラブライブ!の劇伴で1番好きな楽曲でもあります。
ちなみに7話ではこの曲が流れつつ挿入歌「Dancing stars on me!」が流れます。それ故にPVにもこの曲の一節が入っている為、μ'sのライブなどで耳にしている人も多いのではないでしょうか?
以上、2期サントラ「Notes of School idol days ~Glory~」Disc1の劇伴レビューでした。
2期のサウンドトラックは1期の時の穏やかな雰囲気を残しつつも、楽器が増えたりなどで壮大な感じに仕上がった曲が多い印象です。
なのにいい意味で真新しさを感じさせないのはこのサウンドトラックの、ラブライブ!劇伴の最大の魅力なのではないかと私は考えています。
Disc2はこちらから。