ラブライブ!劇伴レビュー 「Notes of School idol days ~curtain call~」 前編
今回からは劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』のサウンドトラック「Notes of School Idol Days 〜Curtain Call〜」を2回に渡ってレビューします。
劇場版らしく音響を意識した劇伴の数々、1曲1曲に想いが込められており聞くだけで風景が頭のなかに蘇ってきます。
いつも通り音楽的な知識は余りありませんのでその辺はあしからず…
それではレビューしていきましょう。
1.「ほのかな記憶[M01]」
使用シーン:穂乃果・ことり・海未の子供時代のシーン
待ち続けた劇場版、待ち続けた観客たちの緊張を解すようなピアノのメロディーは優しげに私達を包んでくれました。
この曲のメロディラインは映画全編に渡って重要なシーンで使われていきます。どんな曲で使われていたかは後述参照。
劇場版本編では後半にとある曲のハミングが入るのですがサウンドトラックでは割愛、ちょっぴり残念ですね。
2.「メインテーマ(Movie ver.)[M02]」
使用シーン:劇場版オープニング
ご存知ラブライブ!におけるメインテーマの劇場版アレンジバージョン。
イントロにピアノにベルが組み込まれていたりブラスが派手になっていたりなど、映画の劇伴らしくとても壮大なイメージに仕上がっております。
このメインテーマはアニメ本編はもちろん、ライブのイントロダクションでも使用されておりとにかくラブライブ!という作品を代表する劇伴ではないかと私は考えております。
そんなこの曲が「メインテーマ」というタイトルで劇場版のオープニングで使用される。劇場版を待ちわびた観客達もこれを聞いた瞬間「やっぱりこれがないと!」と感じたのではないでしょうか?
3.「μ's、海の向こうへ![M03]」
使用シーン:タクシーの中での会話シーン
木管楽器のイントロは見慣れない土地に緊張するメンバー達を意識したような、そして中盤から一気にファンファーレに転調するところは初めて見る海外の風景に見惚れるシーンと相まって一種の組曲の様になっております。そして最後のアウトロは1組だけ別のホテルに着いてしまったことり・海未・凛の心境を表すようなちょっと抜けた感じになっています。
こういった映像とのシンクロは劇場版でも変わらずしっかりと活きていますね。
4.「見知らぬ土地で、何をする?[M04]」
使用シーン:ホテルでの食事シーン
ホテルでの食事を楽しみながら何をするかという話し合いをしている場面での曲。
μ’sはライブをする為に海外に来ていますが初めて訪れる場所に興奮する様は普通の女子高生となんら変わりありません。そんな彼女達の期待とワクワク感をイメージしたようなストリングスが聞いてて心地よいですね。
5.「ホテルで見た夢[M05]」
使用シーン:穂乃果・絵里・にこの部屋でのシーン
前半は穂乃果の寝相で起きてしまうにこのやり取りを再現したようなコミカルかつちょっと抜けた感じに仕上がっており。中盤からの転調は祖母の名を呼ぶ絵里の寝顔を見守る穂乃果とにこを優しげに描いています。
ちなみに転調した部分はちょうど1期8話で絵里と希の会話シーンで使われるLM41のアレンジ部分が使用されています。あの頃とは違う穏やかになった絵里のイメージもそのメロディに組み込まれているのかな?など。
地味にこのシーン、出て来るキャラ3人に「姉」という共通点があるのもポイントだったりします。
6.「さぁ!出発にゃ![M06]」
使用シーン:朝練シーン
朝練といえば1期サントラにLM18というそのまんまのタイトルな曲がありますが、あちらが「日常の中での朝練」を描いていたのと対象的にこちらは「新鮮な気持ちでの朝練」をイメージしたようなちょっと壮大な感じ。
メロディラインのアコギはカントリーな感じを出していたり笛の階段など洋画で使われる劇伴などに近く、ある意味で今回の劇場版で一番映画らしい劇伴に仕上がっているのはないでしょうか?
私は海外に行ったことはないのでよくは分かりませんが向こうの朝はこれくらい清々しい感じがするのでしょうかね。
7.「街を満喫![M07]」
使用シーン:メンバー達が海外を満喫するシーン
前半は管楽器がメロディを、そして中盤からは木管楽器に交代し終盤ではオーケストラ調に奏でるといった、まさに色々な音楽を使えるようになった劇場版ならでは劇伴。
8.「この街はアキバに似てる[M08]」
使用シーン:海外の夜景を見渡すシーン
丸1日海外を楽しんだメンバー達が夜景を見ながら1日の事を振り返る。そんな中、凛が「楽しいことが一杯で次々に変化していく、この街はアキバに似ている」と今日の一日の出来事を振り返ります。
そんな彼女の確信づいた言葉に気付かされていくメンバーの心境を表したかのような楽曲です。そしてそんな彼女の楽しい気持ちはその後の挿入歌へと続き…
9.「GoHAN-YA[M09]」
使用シーン:定食屋でご飯をした後のシーン
これまでの楽曲とは一線を画したアジアンテイストな楽曲。
今までにないこういった楽曲が聞けるのも劇場版の醍醐味かもしれませんね。
10.「Honoka! Hurry up!!!!!!!![M10]」
使用シーン:穂乃果が駅を走るシーン
某留守番中に泥棒が家に入ってくる映画みたいな楽曲です。実際そんなイメージで作曲されたようですね。
目まぐるしく展開していく管楽器などはまさにそれ。ちなみにこの曲のタイトル、!が8つ(穂乃果以外の8人)になっているのが地味にミソ。
11.「As Time Goes By[M11A]」
使用シーン:女性シンガーの歌
1931年にリリースされた楽曲のアレンジバージョン。
今回この曲は劇場版にて初登場する女性シンガーの声優、高山みなみ氏が歌われています。氏は声優であるほか歌手活動もしておりその圧倒的な歌唱力は見るもの、聞くものを圧倒していたのではないでしょうか?
タイトルは「時が経っても」という意味。劇場版を見た方はなぜこの曲が使われたのか、言わなくても分かりますよね。
12.「答えはとても簡単[M12]」
使用シーン:女性シンガーと穂乃果の会話シーン
女性シンガーに「今まで自分たちがなぜ歌ってきたのか どうありたくて何が好きだったのか」と言われ悩む穂乃果。この時のμ’sは自分たちの中では既に活動を終えており、この人が自分と同じ境遇だったのかもしれないと穂乃果は女性シンガーに答えを求めようとしますが…。
ここのシーンは女性シンガーが過去を、穂乃果が未来を見据える対比になっておりそんな遠い空を見つめるような儚げなメロディがこの後の展開を物語ろうとしております。
13.「答えはとても簡単[リフレイン][M12B]」
使用シーン:穂乃果がホテルに戻るシーン
M12のピアノアレンジバージョン。
女性シンガーの一言で自分たちの在り方を思い返すような回想イメージに仕上がっています。
14.「空港にファンがいっぱい…(動揺)[M13]」
使用シーン:空港に到着した後のシーン
空港に着いたμ’s、そこではファンからサインを求められ自分たちが如何に注目されているかというのを実感します。
今までにない注目のされかたや今までじゃとても考えられない状況にただただ困惑するようなとぼけたメロディラインが特徴的です。
15.「街にもファンがもっといっぱい!(困惑)[M14]」
使用シーン:帰国した後のアキバでのシーン
空港から町へと繰り出したμ’sはアキバの街中で自分たちの海外ライブの映像が大きな反響に呼んでいることに初めて気づきます。
目の前の状況に困惑するμ’s、対象的に必死に彼女らを追いかけようとするファンたち。そんなファン達の興奮を表したかのような印象ですね。
以上、劇場版サントラ「Notes of School idol days ~curtain call~」前半の劇伴レビューでした。
本編が海外編・最後のライブ編と分かれているので今回のレビューもこういった感じに分けてみようと前後編にしてみようと思いました。
全編通して感じるのは劇場版ならではの楽器の多さ、壮大さが印象深かったです。中でもM02などはその代表格ではないでしょうか?
楽曲も劇場版オンリーなのでより一層皆さんの頭に残っていることと思われます。
次回はいよいよラスト、劇場版サントラ「Notes of School Idol Days 〜Curtain Call〜」の楽曲をレビューしていきます。